移調楽器で手間がかかるのは#または♭5個以上の調性からだと思います。 
        
      左はロ長調、右は変ハ長調です。見た目は全然違いますが、平均律では同じ調性になります。
        
      左は嬰へ長調、右は変ト長調です。 
        
      左は嬰ハ長調、右は変ニ長調です。 
      チャイコフスキーの4番第1楽章のコデッタでは、基調はロ長調ですが、クラリネットはB管なので、ロ長調より長2度上の嬰ハ長調で表記されることになります。 
      が、嬰ハ長調の楽譜では#が7つも付いて見づらいので、チャイコフスキーは奏者の便宜を考えて、より見やすい変ニ長調で表記したわけです。 
      ところが、シーケンスソフトは馬鹿正直ですので、#系のロ長調の長2度上は嬰ハ長調と単純に考えて、#7個の見づらい表記になっているわけですね^^ 
      したがって、クラリネットを楽譜どおりに表記させるために、基調のロ長調を♭系の異名同音である変ハ長調にするのが正解ということになりますm(__)m 
      この場合は、ソフトも馬鹿正直に変ハ長調の長2度上の変ニ長調で表示してくれますから。 
       
      なお、#または♭が4個の場合について申し上げますと、 
       
      #4個(ホ長調・嬰ハ短調)ではクラリネットはB管では#6個(嬰ヘ長調・嬰ニ短調)で表記されますが、通常はA管を使いますので、クラリネットのパートは#1個(ト長調・ホ短調)となり、問題は生じません。 
       
      ♭4個(変イ長調・ヘ短調)のときは、B管では♭2個(変ロ長調・ト短調)となり、これまた問題なしでございます。この場合にA管を使うことは通常ございません。 
       
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